ゲゲゲの先生へ

東京芸術劇場で「ゲゲゲの先生へ」を観劇してきた。

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佐々木蔵之介さん(以下、蔵さま。笑)が好きで、数年前の「マクベス」はじめ何回か舞台を観に行ったことはあったが、個人的には今回の舞台が1番好きだったかも知れない。

 

タイトル通り、原案は水木しげるさんの話から。全体的にユーモアたっぷりだったのに加え、私は結構ジョーク(ブラック含め)が入ったお芝居が好きなのだが、私の「これ良い!」ポイントがふんだんに盛り込まれており、結構声を出して笑ってしまった。けれど、「動」と「静」の切り替えがはっきりしているように見えて、それが、作品の世界観にどんどん引き込んでいくトリガーになっているように思えた。目に見えない妖怪たちに焦点を当てたストーリーだったが、目に見えない存在だからこその存在の大きさ、儚さ、尊さがあって…そういうところになんだか心を掴まれた。目に見えないものに対する意識って、特に今の生活の中で忘れがちだけど、そういうことに意識を向けると、人生もっともっと豊かになるのかな、なんて考えた。

蔵さまの演技の中は、ジョーク的な部分と、(やや)シリアスな部分の切り替え方が絶妙すぎて…!くだけるところはくだける、だけど伝えるところは伝える、のモード切り替えが繊細で目が離せなかった…。

そして共演者陣も最高に良かった。白石加代子さんは「すいか」というドラマで好きになって、いつか舞台を観たい!と思っていたのだが(流石に「百物語」を観に行く勇気はないので)、やはり纏っているオーラが違うし、よい言葉が思い浮かばないが、めちゃくちゃ面白かった!松雪泰子さんも美しかったし(蔵さまとの絡み最高でした)、池谷のぶえさんはよくわからないことしか言ってない場面でも面白かった(笑)

 

久しぶりにお芝居を観に行ったが、やっぱり楽しいし気持ちが豊かになる。単純に幸せな時間だったし。今日、このタイミングで観たのがこの作品で良かった。