ジャケット

実家に帰ってきた。

と言うことは一人暮らしをしているわけだが、電車で1時間ちょっとで着く距離なので頻繁に帰っている。

 

父親の誕生日が近いので、プレゼントを探すべく母親と買い物に行ったのだが、何故か自分の洋服を買って帰ってきてしまった。

私の仕事は他の同世代の子に比べたら月給はそんなに高くない。なんならボーナスもない。なので、お金の使い方に関しては割と慎重でありたいと気をつけている。が、たまに「すごく欲しい、けど猛烈に今必要というわけではないので買うべきかどうかものすごく悩みまくる」時がある。それは洋服を買う時に多い。

今回は、自分が1番好きなお店にふらっと立ち寄った時に出会ってしまった、ジャケットだ。袖がフリルっぽくなっていて、厚手で、多分11月末まで着れる。色もネイビーだしデザイン的にも職場へ着ていける。かつ私のクローゼットのメンバーと被らないし、なんなら今来ているジャケットは、そろそろ買い換えても良いころだ。

しかし、それを買うなら、カーディガンだって買いたい。何なら1着穴が空いてしまったので、緊急度が高いのはこっちの方だ。

 

頭の中で電卓を叩く。7月に猛烈に残業をしたせいで、今預金残高は結構いい感じなのを覚えていた。だけど、11月に友人と旅行にいく用事があるし…

色々と言い訳を考える。このジャケット1着分の金額を、別の使い道にした場合を考えるのだ。滋賀にいる友人に会いに行った時の片道の交通費。飲み会4回分。まあこんなこと考えたところで意味は全くないのだけど。

 

結局お店は3回出入りした。

最初に発見して悩み、お茶をして他のお店に入った後また戻って悩み、、再度お店を出た後、少し悩んで「やっぱり買う!」と決めてからは全てが早かった。勢いよくお店の中に入って一目散にそのジャケットの元へ向かった。あまりにも勢いが良かったので、店員さんは笑っていた。

 

どうしても諦めきれなかった…そのお店はchambre de charmeというところで、デザインもお店の雰囲気もめちゃくちゃ私の好みで、なんなら持っている服の中では、このブランドのものが多い。

AMBIDEX Store chambre de charme

 

都心に買い物にいっても「ここでこの服買うなら、あのお店の服買った方が良いくらいだわ…」と思うくらい。なので、今回も別のブランドだったならば諦めていたと思うが、このブランドだったが故に、「もう一生出会えなかったら後悔する…」とまで思い購入に至った次第である。

 

もちろん買った後は大満足なので、家に帰ってから何度も見て何度も着た。仕事から帰ってきた父親にも披露した。

 

割と高かったので、「しょうがないから、また仕事頑張るか…」と思った矢先、夕方から仕事の連絡が重なり、気分どんより。

でもこのジャケットを眺めて気分を上げるのだ。早くこれを着て出かけたい。職場ではないところに。