メール

ひょんなことがきっかけで、Gmailの過去の送信履歴を遡ってみた。ざっと大学3年の頃まで。読み返すと、今の自分を形成していることがよくわかる。

 

大学3年の頃は、授業の一環でコンサート制作の実習があり、専らそのやり取りばかり。同級生とのてんやわんやのやり取りや、先生からの怒りと励ましのメール。同級生の言葉のチョイスには笑った。多分「何かございましたらご連絡ください」って言いたかったんだろうけど、「何かございましたので」になってて爆笑した。有事だよ…まるで副業のように取り組んでいたので、大学生なのに社会人みたいなメールを書いていて驚いた。

 

大学4年は就活とインターンと卒論。私が行っていたインターン先は事前に選考があるのだが、教授からの推薦状が必要で、それを当時の学科の中で1番権威を持っていた教授に書いていただいた。久しぶりにその推薦状を読んで見たが、忙しい中丁寧に私のことを書いてくれていて身が引き締まる思いになった。インターン先は結構その業界の中では有名な施設だったので大学としては何としても実績を残したい、という気持ちもあったのだろうが、そうであっても3年間の中の私の活動や性格を的確に説明してくださっていた。合格の連絡をした際にはとても喜んでくださり、私も嬉しかった。その教授は一昨年に突然亡くなってしまった。葬儀に出席した時に思い浮かんだのは、やはりその推薦状の時のやり取りだった。ゼミ生という訳でもなかったが、確実に私の世界を切り拓いてくださった人の1人だ。

それから卒論の時のやり取りもなかなか面白かった。私のゼミは3人所属していたのだが、私以外の2人はなかなか進まず、ゼミの時間の時は「とりあえず●●さん(私)は書き進めて!」という放置っぷりだった。が、提出ギリギリのタイミングで色々手を加えてくれていたり結構アドバイスをくれていたということをメールを見ていて思い出した。まるでお父さんのようだった(実際に自分の父親と同い年だが)。因みにその論文は学年で2位になって、卒業式で表彰された傑作である。

そして大学4年で忘れられないのが就活でのやり取りだ。私は正社員で内定が決まっていた会社があったのだが、2月末にその内定を蹴って別の会社にアルバイトとして入社するという、とんでも経歴の持ち主なのだが、その相談のやり取りを読み返すと、今でも涙が出てくる。大学で1番お世話になった教授はゼミ生でもない私の相談に親身にのってくれて、何度も電話し、メールのやり取りをした。べらぼうに忙しい教授だったのだが、とにかく時間がなかったので、教授が出張で新幹線に乗る前、朝の東京駅まで行って、直接話を聞いてくれたりもした。社会的には宜しくない判断だったが、内定を蹴るということに対し反対はせず、むしろ後押ししてくれた。同時進行で、最終的に就職した先というのが当時のインターン先だったのだが、後の上司も2時間くらい話を聞いてくれたりしていた。ちょっとクセのある上司で、無事に?先の内定先にお断りの連絡をしたという報告をした時の返信が「茨の道へようこそ」とスタートしていたのが今でも忘れられない。

 

Gmailは今も仕事でのやり取りで使っているので、割と業務的なツールの印象が強かったが、意外にも思い出が詰まっていたことに気づいた。学生時代の自分は今よりもエネルギーに満ちていて、努力していて、失敗することを恐れていないな、というのが伝わってきて、なんだか今の自分が情けなく見えてきた。色んなものを見て知って感じた分、臆病になっているのかもしれないが、自分が送ったメールややり取りをみると、我ながら一生懸命さがダイレクトに伝わってきて、あの頃の自分の気持ちを取り戻したい、と思った。

そして沢山の人たちと出会って、助けてもらって、今の自分がいるということに、改めて気づいた。私のことを「優秀だ」と言ってくださる方がいるが、そんなことは全くなく、誰かの力を分けてもらって立っているんだな、と思う。ここ最近は、良くも悪くも手を抜くことを覚えたので、中途半端にやってしまうこともあるし、ネガティブ思考になりがちだし、とにかく納得のいく行いが出来ていない。けれど、色んな人の顔を思い出すと、これから先も中途半端なことはしてはいけないし、裏切ることもしてはいけないんだな、と思った。

とは言いつつ、それだけの信頼関係を築くことが出来る振る舞いや成果を残してきた自分って、実は結構すごいのでは…と自過剰気味に感じてしまうのであった。

 

 

と、真面目な話を書いてしまったので、最後は今日食べた超絶美味しかったチーズタルトの写真で締める。

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地元にまさかのPABLOができたので、実家に帰るとき買ってみたが、食感がどストライクだった。ただ、店員さんのテンションやお店の雰囲気が若者よりで、ちょっと戸惑った。