仕事

9割位しんどいと感じながら続けている仕事だが、残り1割の喜びや達成感が強い為、新卒以来ここまで続けているような気がする。

 

所謂、文化施設の主催イベントの制作を担当しる。年間に数十本程度実施するので、自分でプレゼンして実施に持ち込めるものもあれば、様々な経緯で担当を任されるものもある。私は一回転職をしているのだが、新卒で入った施設はバリバリのクラシック音楽専門だったので、音楽関連のイベントが多かった一方、今は多目的ホールなので、音楽以外にもバレエや講座ものなどなど、バラエティ豊かになってきており、その分自分の仕事スキルも上がってきている気がする。

大学時代から「文化施設」という場所そのものに関心が高かったので、どのような特徴を持っている施設でも、そこをいかに盛り上げていくか?ということを考えながら仕事をしていきたいと、今も昔も思っている。

仕事自体はデスクワークが殆どだが、常に交渉力や調整力が試されるので、交渉下手すぎる私にとっては苦痛に感じる時が多い。特にお金に関する交渉は本当に嫌いだ。限られた予算の中で限りなくクオリティの高い事業を実施しなければならないので、値切りの交渉はほぼ必須だ。しかし、相手がクオリティ相応の値段を出してきているのもよくわかるので、たまに値切る意味がわからなくなる時がある。もはや「みんな仲良くやろーぜ」と思う時すらある(雑)。

それから、施設の利用者・来場者(特にご年配の方々)からの、理不尽な文句も、超平和主義者な私にとっては割と心痛む事案である。「自分が言われたらどう思うのか、とか考えないのかこの人たちは」とか思ってしまう。これは年を重ねるにつれて、右から左へ受け流す技を覚えてきたので、何となく乗り越えられるようになってきた。

 

そんな感じでメンタル豆腐な私がこの仕事を続けられていることが結構奇跡に思える。

けれどちゃんと続けられる理由があって、ついこの間も「また頑張ろう」と思える出来事があった。

 

先日、自分が仕込んだ公演を開催した。アーティストは自分がずっとファンだった人で、いつか自分の職場で実現したいなーと思っており、会議でプレゼンしたところ、先輩の助けもあり見事採用。しかし、その後、お金の話で色々揉めたり…と色々大変で正直投げ出したいとも思った。その反面、チケットは初めて完売に持ち込めたりと順調な部分もあった。本番は勿論最高に良かったし、私も舞台袖で楽しむことができた。本題はここからで、終わった後にTwitterやインスタで、その日の来場者の投稿をひと通り漁ってみたのだ。アーティストについての感想は勿論だが、「この会場でこのアーティストが聴けるとは!」「呼んできてくれてありがとう!」など会場に関するコメントもあったのだ。自分が仕込んだことによって、こんなに喜んでくれる人たちがいるんだ、とダイレクトに知ることができて、素直に嬉しかった。やはり施設を盛り上げていく立場としては、多くの人に施設を知ってもらい愛してもらえるということは職員冥利につきるのだ。さらにそれが自分きっかけというのは、ちょっと恥ずかしいが、かなり自信に繋がる部分がある。こういう体験はなかなか無いが、たまに出会えるからこそ「また明日からも頑張るか」という気持ちになれるのだ。

 

そんな訳で、また業務に追われすぎて訳の分からない日々になってきたが、暫くはこの出来事のおかげで乗り越えていけそうだ。